この手紙をあなたが読む頃、私は遠い街のどこかですね。
行き先も告げず、旅立ったのは、さよならと言ってしまうと気持ちが揺らいでしまいそうだったから。
あなたと離れて暮らす事。
もうずっと以前から決めていたことです。
ずっと黙っていてごめんなさい。
あなたを嫌いになったわけでも、他に好きな人が出来たわけでもないけど、今の私ではあなたの側にはいれないと、そう想ったから。
いつも私はわがままばかり。
この別れも、私のわがまま。
だから自分を責めたりしないでね。
あなたは優しい人だから、きっと自分が何か悪い事をしたのではないか、そんな風に思ってしまうかもしれません。
でも、その優しさが私には少し大きすぎた。
だから私はその優しさにいつも甘えてしまった。
そして私はわがままになった。
そんな自分が少し嫌いになったりもした。
だからこのままじゃいけないと、自分ももっと強くならなきゃって。
あなたにそんな話をしたら、きっとわがままでも大丈夫と言うでしょう。
でも、やっぱりそれではいけないと想う。
私は、あなたの優しさに甘えないだけの自分になる。
あなたの優しさはとても大切な宝物。
でも、時々とても鋭い刃物になることも忘れないで。
あなたと離れて、私は強くなるよ。
だからあなたも、誰かを包む優しさだけでなく、守れる強さを持った優しさを見つけて欲しい。
いつかどこかで逢えた時、いつか笑顔で逢えるように、お互いに、今よりいい女と、いい男になったねと言える様に。
運命ってものを信じるなら、きっとそんな風に出逢えるはずだから。
でも、本当に愛するって事は、相手の幸せを心から望むこと。
その相手が私であれば良かったけど、今の私ではあなたを幸せには出来ないから。
いつかまたどこかで逢えたら、その時はわからないけどね。
本当はもっと思い出話とか、たくさん書きたい事はあるけど、せっかく広げた翼が旅立つ前に折れてしまいそうだから、この辺にしておくね。
好きなのに別れる、他人事なら、変だよって言うのに、自分がそんな風になるなんてね。
でも、私は後悔はしないよ。
わたしにとっても、あなたにとっても、きっと今の二人にはこの道が一番いい道だと想うから。
私は遠くの街であなたの幸せを願ってます。
あなたも心の隅でいいから、私の幸せを願っていてね。
それじゃあ。
いつかどこかで。
2008年05月23日
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