君へ
あれからどの位の時が経ったでしょうか。
忘れてしまう程の時間が流れました。
本当は忘れてしまった方がいいのでしょう。
だけどまたこうして言葉を綴っています。
今日という日が忘れられない大切な日だったから。
たくさんの人と出逢い、そして別れ。
君もその中の一人のはずなのに。
離れた人の記憶はきっと自然と忘れてゆくもの。
だけど君の記憶だけは残ったまま。
初恋でもなければ、
二人の間に特別な何かが起きたわけでもない。
だけど記憶の中の君はとても鮮明で美しいまま。
君がいるという日常の有難さに気づいていなかったあの頃。
大切なものは離れてから気づく。
君が教えてくれたこと。
だから今、大切にできるたくさんのこと。
だから今、大切にしたいたくさんの想い。
そして今、踏み出せる明日への一歩。
やっと今、心から空へと旅立つ君の記憶。
今君が幸せであると信じ、願って。
君が生まれた日に。
ありがとうとおめでとう。