2020年09月27日

手紙 11

君へ

あれからどの位の時が経ったでしょうか。
忘れてしまう程の時間が流れました。
本当は忘れてしまった方がいいのでしょう。

だけどまたこうして言葉を綴っています。
今日という日が忘れられない大切な日だったから。

たくさんの人と出逢い、そして別れ。
君もその中の一人のはずなのに。

離れた人の記憶はきっと自然と忘れてゆくもの。
だけど君の記憶だけは残ったまま。

初恋でもなければ、
二人の間に特別な何かが起きたわけでもない。

だけど記憶の中の君はとても鮮明で美しいまま。

君がいるという日常の有難さに気づいていなかったあの頃。

大切なものは離れてから気づく。

君が教えてくれたこと。

だから今、大切にできるたくさんのこと。

だから今、大切にしたいたくさんの想い。

そして今、踏み出せる明日への一歩。

やっと今、心から空へと旅立つ君の記憶。

今君が幸せであると信じ、願って。

君が生まれた日に。

ありがとうとおめでとう。







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2018年09月23日

手紙10

親愛なるあなたへ

あなたへの手紙ももう10通目になるのですね。

初めての手紙は何を書いてよいかわからずに、
ただの自己紹介で終わってしまいました。
あれから十年。
一年に一度の大切な手紙。
あなたからの返事を待ちながら過ごす日々。
毎日たくさんの人と出逢い、たくさんのことと出逢い、
そうして日々が過ぎ、心に残ればその時に言葉に残し、
そうして溜まった言葉たちを集めて、一年の想い出にして
あなたへの手紙に綴ってきました。

この十年間でどれだけの言葉を手紙に綴ったのでしょうか。
とても長い手紙じゃないから、そんなに多くはないかもしれない。
でも手紙に綴る言葉の中にはたくさんの人や風景、出来事が
そしてたくさんの想いが詰まっています。

誰かの笑顔や誰かの涙、綺麗な景色や美味しかったもの。
楽しかったことや悲しかったこと。

十年。
改めて言葉に書くと、とても永く、でもどこか短く。
目を閉じれば想い出すこと、夢の中でしか見ないこと。
振り返ればたくさんの想い出たち。
あなたの十年はどんなでしたか。
そしてこれからの十年。

十年後のわたしはどんなわたしなのだろう。

十年後のあなたは。
きっとそのままなのでしょうね。

一緒に過ごし、一年に一度の手紙の交換の約束。
二人が出会った大切な日に。

あなたからの返事はちょうど半分の5通で止まったまま。

二人の約束はあれからずっと私だけの約束。
あの時の二人の希望の光は、今はとても輝いて
こうして私の隣で輝いてくれています。

あなたによく似た希望の光。

今度はきっとあなたのもとへ
2通の手紙が届くでしょう。


親愛なるあなた。
今までも、そしてこれからも。





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2017年10月23日

手紙9

あなたへ。

お久しぶりです。覚えていますか。
あれからもう10年以上が過ぎました。
この手紙が届くことを信じながら
一文字ずつ、そして一言ずつ、あなたを想い出しながら
ことばを綴っています。

まだあなたはあの場所に、あの街に住んでいるのでしょうか。
あの日から恋をしたり、仕事をしたり、もしかしたら家族が出来たり
幸せな日々であることを願っています。

あなたの言葉がきっかけで始めた仕事も
今では少し変わってしまったけれど
あなたがくれた言葉を胸に
笑顔を無くさないように頑張っています。

こんど10数年ぶりに
あの街に行くことにしました。

あなたに逢いに。
そういうわけではないのだけれど。
それでもあなたにもしも逢えたなら
ほんの少しだけ期待をしながら


さよならもありがとうも言えないままに。
離れてしまった心と距離は
もう戻ることはないけれど。

もしまたあの街で
逢うことが出来たなら
お互いの幸せを願いなら
笑顔できっと逢えるはず。

わたしはまた
あの街に行きます。


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2017年01月18日

手紙8

こうして言葉を文字にして
君に届けようとするのは
もう何度目になるのだろう
いつだって二人の間には
伝えきれない何かが
静かに静かに溜まっていって
気が付くと君か僕のどちらかが
こうして言葉を文字にして
そっとどちらかに届けてる

どれだけ長く同じ時間を過ごしていても
どれだけたくさんの言葉を交わしていても
やっぱり全部は伝わらなくて

お互いの全部を出し切れる二人だったら
こんな遠回りも要らないはずなのに

でもこんな遠回りなことがあるから
二人はずっと一緒にいられるのかもしれない
そんなことも想ったりしているよ

いつもと違って
きっとまだ二人の間には
伝えたい想いは溜まってはいないけれど

なんでもない時にでも
こうして言葉を文字にして伝えたら

二人の想いが今より少し
同じ色になれそうな気がして

笑顔と泣き顔と
怒った顔と眠った顔と

たくさんの君の顔を思い浮かべながら
こうして言葉を文字にしています

今度手紙を綴るのは
どちらになるかわからないけど

もしかしたら、もう
必要がなくなるかもしれないけど

二人は二人で
このままの二人で







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2016年10月12日

手紙7

元気ですか?
ついこの間逢ったばかりのような気もしますが、
あれからもう二か月位経つのですね。
電話やメール、いつもしているから
あなたを近くに感じ、時間と距離を錯覚しそうです。

今度また逢えるのはまた少し先になりそうですね。
あなたの時間、私の時間、近くに感じることは出来ても、
実際にはなかなか縮まることがなくて。

そうそう、なんで手紙なんか書いているのかという話。
いつも連絡は取り合っているのに、今更ですが。

実は昔から、手紙書くのが好きで、子どもの頃は
文通とかもしてました。
最近は電話やメールで済んでしまうので、いつのまにか
書くことも減ってしまって。
でも、この前の電話で、何かの話からラブレターの話になって、
その時、すぐには思いつかなかったけど、切った後、ふと、ね。

それで今、こうしてあなたの顔や声を想いながら手紙を書いています。
この手紙が届いた後の、あなたとの会話が楽しみです。

なんなら、しばらく手紙のやりとりでもいいですよ。なんてね。
一文字一文字、書きながら、相手のことを想う。
なんとなく新鮮な気持ちになるから。

そして改めて想ったよ。

私はあなたが好きで、きっと愛しているって。

後少し、もう少しして、
お互いの時間と距離がもっと同じに近づいたら・・・。

その先の話はまた逢った時に。
それとも、あなたがこの続きを手紙に書いてくれるかもしれないね(笑)

じゃあまたね。





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2016年01月25日

手紙6

お久しぶりです。
今、この手紙をあなたはどこで読んでいますか?
自分の部屋で一人読んでいるのでしょうか。
それとも大切な誰かと一緒でしょうか。
どこか移動の途中で読んでいるのかもしれませんね。

あなたに手紙を書いたのはどれくらいぶりでしょうか。
あなたも私も、文章を書くのが好きで、
出逢った頃は時々お互い書いていたけど
だんだんメールや電話が増えるにつれて
あまり書かなくなってしまいましたね。

でも書かなくなった一番の理由は
あなたと過ごす時間が増えたこと。
同じ時間を過ごしていれば、わざわざ手紙にしなくても
顔をみて言葉を交わせば確かめ合えたから。

それでも時々手紙にしたのは、お互いに
「ごめんね」を言う時。
小さな事でけんかして、どちらもそんな時は
素直になれなくて、お互いにちゃんと謝れなくて。
電話もメールも出来なくって。
でも、なぜかお互いに、手紙だと素直に言える。
そんな二人だったから、手紙は仲直りの秘密兵器(笑)

だけどやっぱりそんな秘密兵器を使っても
戻せない時間が訪れてしまったね。

あなたと私と、きっとどちらが悪いわけじゃなくて
でもきっとどちらも素直じゃなくて
だから今こうして、あの時の二人は「過去」になってて。

二人が「過去」になったあの日。
あなたが私に言った言葉。あなたは覚えていますか?
私ははっきりと心に刻んでいます。

その言葉を大切に出来たから、今こうしてこの手紙を
書くことが出来ています。
そして強く生きていることが出来ています。

あの日私は泣いてしまったけど、あの日流した涙が
私を今の笑顔を作っています。
それもあなたの言葉があったから。
離れた恋人に感謝出来るって、きっと不思議に人は想うでしょう。
でも、私にとって、二人の時間、そしてあの日は
私にとっての大切な時間。

私は今度新たな一歩を踏み出すことになりました。
その前にどうしても、あなたにありがとうを伝えたかった。
あなたに言葉を届けたかった。
でも、逢ったりするのは違うと想った。
だからこうして手紙にしました。

大切なあなたへ。
大切な時間をありがとう。
大切な日をありがとう。
あなたの大切な人にたくさんの愛が届きますように。
あなたにもたくさんの愛が届きますように。

あなたから幸せを教えてもらった私より。







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2014年04月06日

手紙5

あれからどれだけの季節が流れたでしょうか
何度目かの雪と、何度目かの向日葵、
そして何度目かの桜を眺めながら
ふと耳にした「誕生日」という言葉で
春の誕生日の人を想い出の中で探っていたら
想い出した君の名前。

もう想い出すこともないと思っていた
君の笑顔はぼんやりと消えかけて
君の声も少しずつ忘れかけて
でもまだ心の奥に残っていたんだね。

自分でも知らない場所にしまってあった
君との想い出たちが桜が風に舞うように
美しくも儚げに飛んでゆく。

この桜が散りゆくころには
また君を忘れるだろう。
そしてまた想い出す。

桜の季節の誕生日は
4月最初の君の嘘で
木々が山を紅く染める季節に
君は生まれたということを。

いつかまた君を想い出したら
宛先のない手紙を
空の上には届かない
宛先のない手紙を綴ろう。



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posted by bluerain at 19:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 手紙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月18日

手紙4

愛するあなたへ

初めてあなたに出逢ってから、毎日のあなたを想っています。
初めてあなたに出逢ってから、あなたの夢ばかりを見ています。
こんなに誰かを想ったのは、きっと初恋の時以来。
そして誰かにラブレターを書いたのも、きっと初恋の時以来。
直接言葉に出して言えたなら、それが一番伝わるけど、直接逢って言えたら、それが一番良いのだけど。

でも、今はあなたは遠い街にいて。
電話やメールじゃ届かない気がして。
何よりも、私がきっと照れて想いを伝えられない、そんな気がして。
だからこうして今の想いを、古臭いとは想ったけど、手紙に書いています。

逢えない時間が増えるたび、あなたの存在は私の心をどんどん埋め尽くしていきます。

逢いたい、その想いが強くなる。

二人の距離は離れているけど、心の距離は一番近い、そう信じてます。

いつか一緒に。

いつもは素直に言えないけど、手紙だから書いてしまうね。

私はあなたを愛しています。
今も、そしてこれからも。
あなたは私の一番大切な人だから。

本当はもっと長く書きたかったけど、伝えたい事は書いたから。

大切なあなたへ
私を選んでくれて、ありがとう。



追伸
次に逢った時のあなたの反応が楽しみです。















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2008年06月02日

手紙3

親愛なるあなたへ

親愛なる。
今の私にとっては、深愛、の方が合っているようにも想えます。

それだけ深くあなたを愛しているということ。
あなたはそこまで想われていることを幸せに想って欲しいものだけど。

そんな事を書いたら、きっと読みながらあなたは笑うでしょうね。

でも、本当に私はあなたを心から想っているんだよ。
そして、私もあなたを愛せている事にとても幸せを感じています。

あなたは私から手紙をもらうなんて想ってもみなかったと想いますが、実はあなたに手紙を書くのは初めてではなくて。

といっても、これまでの手紙は、全部私の部屋の押入れの中。

書いてはみても、出さないまま。
捨てればいいのに、何故かしまって、そのままです。

そんな出せないままの手紙たちは、もう何通にもなってしまいました。

いつも面と向かって言えないこと、手紙なら書けると想って、書いてみても、結局あなたに渡さないから、言えないのと同じになってしまって。

でも、この手紙はやっとあなたに渡せる。そんな気がします。

そんな事を書いていて、また押入れに行ってしまうかもしれないけど。

もし、この手紙をあなたが読んでくれたなら。
私が今度こそあなたに手紙を渡せたなら。

その時は、二人はもっと深愛になっていると、そう信じてます。

そして、いつか押し入れの中の手紙たちと一緒に、二人で読むことが出来たら、きっと幸せでしょうね。

そんな日がくるまで、この手紙はちゃんととっておいてね。



深愛なるあなたへ

いつまでも私の側にいてください。
私もあなたの側にいるから。



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2008年05月23日

手紙2

この手紙をあなたが読む頃、私は遠い街のどこかですね。
行き先も告げず、旅立ったのは、さよならと言ってしまうと気持ちが揺らいでしまいそうだったから。

あなたと離れて暮らす事。
もうずっと以前から決めていたことです。
ずっと黙っていてごめんなさい。

あなたを嫌いになったわけでも、他に好きな人が出来たわけでもないけど、今の私ではあなたの側にはいれないと、そう想ったから。

いつも私はわがままばかり。
この別れも、私のわがまま。
だから自分を責めたりしないでね。

あなたは優しい人だから、きっと自分が何か悪い事をしたのではないか、そんな風に思ってしまうかもしれません。

でも、その優しさが私には少し大きすぎた。
だから私はその優しさにいつも甘えてしまった。
そして私はわがままになった。

そんな自分が少し嫌いになったりもした。

だからこのままじゃいけないと、自分ももっと強くならなきゃって。

あなたにそんな話をしたら、きっとわがままでも大丈夫と言うでしょう。

でも、やっぱりそれではいけないと想う。

私は、あなたの優しさに甘えないだけの自分になる。

あなたの優しさはとても大切な宝物。

でも、時々とても鋭い刃物になることも忘れないで。

あなたと離れて、私は強くなるよ。

だからあなたも、誰かを包む優しさだけでなく、守れる強さを持った優しさを見つけて欲しい。

いつかどこかで逢えた時、いつか笑顔で逢えるように、お互いに、今よりいい女と、いい男になったねと言える様に。

運命ってものを信じるなら、きっとそんな風に出逢えるはずだから。

でも、本当に愛するって事は、相手の幸せを心から望むこと。

その相手が私であれば良かったけど、今の私ではあなたを幸せには出来ないから。

いつかまたどこかで逢えたら、その時はわからないけどね。

本当はもっと思い出話とか、たくさん書きたい事はあるけど、せっかく広げた翼が旅立つ前に折れてしまいそうだから、この辺にしておくね。

好きなのに別れる、他人事なら、変だよって言うのに、自分がそんな風になるなんてね。

でも、私は後悔はしないよ。

わたしにとっても、あなたにとっても、きっと今の二人にはこの道が一番いい道だと想うから。

私は遠くの街であなたの幸せを願ってます。
あなたも心の隅でいいから、私の幸せを願っていてね。

それじゃあ。
いつかどこかで。



posted by bluerain at 23:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 手紙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする